ステロイド副作用~感染症~

ステロイド
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Ola!

さてみなさん、週も半ばですがいかがですか?私は週末が待ち遠しく、蕁麻疹が出そうです。。。。

さて、今回はステロイド副作用の感染症です!代表的な3つの感染症に関して、書きます!これらは適応があれば予防可能ですので忘れずにチェックしましょう!

B型肝炎ウイルス:Hepatitis B virus, HBV

慢性肝炎、無症候性キャリア、既往感染例の状態の患者さんが、ステロイド使用することでHBVが再活性化します。特に既往感染例からの再活性化をDe novo肝炎といい、致死率が非常に高いため必ず予防が必要です!

詳細なフローチャートは日本肝臓学会の出している免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインを参照ください。スクリーニングとして出すべきは、HBs抗原です。陽性ならばHBe抗原と抗体、HBV DNA定量検査を提出し核酸アナログを使用します。現在はエンテカビルとテノホビルが使用可能です。

HBs抗原陰性ならば、HBc抗体、HBs抗体を検査します。双方とも陰性なら非感染です。片方でも陽性ならば過去にHBVに感染していますので、HBV DNA定量検査を行いカットオフ以上なら予防、以下なら1-3か月に1回のDNA量とAST/ALTのモニタリングを行います。

ステロイド以外では、リツキシマブ、フルダラビンなどがリスクが高いとされています。

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潜在性結核

予防の目安は、PSL換算で15㎎を1か月以上です[1]。スクリーニングには、胸部レントゲン検査とIGRAを用います。IGRAとは、患者血清に結核菌抗原を暴露し患者リンパ球から放出されるIFN-γを検出する検査です。帰還船であれば、結核菌に対して免疫の状態なのでIFN-γが放出され陽性となります。

予防方法は、

1.イソニアジド 5mg/kg/dayを6-9か月間投与

2.リファンピシン:10㎎/kg/day 4か月間投与 *リファンピシン使用する際はステロイド量を2倍程度にする(相互作用のため)

です。

ニューモシスチス・カリニ肺炎:PCP

PSL 20mgを1か月以上、またはPSL10㎎でも中長期以上投与するなら予防したほうが良いとされます[2]。ステロイド開始後、3週間目くらいから予防を始めます。予防法は、

  1. ST合剤:1錠分1
  2. アトバコン:10ml 1日1回 食後 毎日
  3. ペンタミジン:300㎎ 30分かけて ネブライザー吸入 月1回

です。やはり第1選択はST合剤です。ちなみに発症した際の第1選択もST合剤です。

PCPや結核は特にステロイドの減量中に多いです。なぜならこれらの疾患は微生物に対する宿主の免疫反応が本態だからです。そうです、ステロイド減量して免疫反応が起こせるようになってから発症しやすいのです(言い換えれば、微生物にやっと反応できるようになったからです)。

さて今回もいかがでしたか?これらの感染症は予防しうるものなので、必ずリスク評価して予防できるならしましょう!内科医のみならず、ステロイドを使用するすべての診療科の医師の責務です!

Adios!

引用文献

  1. Am J Respir Crit Care Med. 2000 Apr;161:S221-47.
  2. JAMA. 2009 Jun 24;301(24):2578-85.
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