夜分遅くに失礼いたします、ほほえみです。
勝手にシリーズものが始まってない?と思ったそこのアナタ、doing well
実際にあった症例を書いていこうと思います。
症例 6歳男児
主訴:腹痛
現病歴:来院3日前から腹痛、嘔吐あり、近医で胃腸炎の診断で整腸剤と制吐剤を処方され経過観察されていた。
その後、嘔吐は落ち着いたが腹痛は残存。来院前日夜になり眠れないほど痛くなったためER受診。
腹部エコーと腹部Xpを施行し、腸重積や虫垂炎はなし、Xpで結腸ガスの拡張と直腸~S状結腸にかけて便塊貯留を認めた。fecal impaction(便塞栓)が原因の便秘に伴う腹痛と考え、浣腸を施行しdisimpactionを行った。腹痛は残存していたため翌日再診の方針とした。
さて、ここまででどう考えたでしょうか。ほほえみは胃腸炎+便秘症と考えました。
また、結腸ガスも拡張していたので胃腸炎後の麻痺性イレウスも考慮しました。
来院当日、帰宅後腹痛は改善し睡眠良好であったが、起床後麦茶を飲んだら嘔吐ありとのこと。腹痛も軽度残存していた。そこで患児が一言…
「おちんちんのところも痛いー」
パンツを下げて見ると、左の陰嚢が赤く腫れていました。
精巣エコーを施行し、左精巣捻転の疑いで小児外科へと引き継ぎました。
精巣捻転(精索捻転)
小児の腹痛のpitfallとして有名です。
基本的には緊急手術が必要でgolden timeは6時間と言われています。12時間を超えると精巣の残存率は60%以下、委縮の割合は40%以上です。
症状は、陰嚢の発赤・腫大、腹痛、嘔気・嘔吐などです。
精索が長いという解剖学的特徴から左側に多いです。
精巣エコーでは、
・精巣腫大
・精巣内エコーの血流低下
・精索を短軸方向に追っていくと精索が捻れている所見がある
一番は内部の血流低下を見ることが大事です。
これを見たらすぐ小児外科にコンサルトしましょう!
(逆に血流が豊富になるのが精巣上体炎です。)
以上、腹痛のpitfall 精巣捻転をお送りいたしました。なんだかよくわからない小児の腹痛を見たら精巣まで見ることが大事だなと痛感しました。
それではおやすみっどないと㋭
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