抗菌薬マスターシリーズ~キノロン系~

勉強
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どうも皆様!おはようございます☀Dr.マクロです!最近、本院ではなく、都外の病院で研修させていただいているのですが、とても涼しくて過ごしやすいです。でも、それが故になのか、家でエアコンを使用しない高齢者の方々が多く意外と熱中症が多かったりもします!かくいう私はエアコンにどっぷり浸かって生きてきた怠け者なのですが、高齢者の方々はむしろ怠け者気質のほうが夏は良いのかもしれませんね!

余談はさておき、今回はキノロン系の解説です!静注でも内服でもお世話になりまくるキノロン系ですが、日本では特に乱用が多く耐性が増えています!特に副作用使いドコロ、の2点を中心におさえましょう!

キノロンの歴史

と言いつつも、性懲りもなくまずは歴史から笑 その歴史は1962年にDr.Lehserらが抗マラリア薬であるクロロキンを合成する際の副産物としてナリジクス酸を発見したことに始まります。GNRに対して有効な抗菌薬の発見は画期的だったでしょう。ただし、発見当初は組織移行性の悪さや代謝の不安定さなど欠点もあったようです。

その後に我が国日本の杏林製薬から抗菌活性、組織移行性、代謝安定性を飛躍的に向上させたノルフロキサシンが開発され一気に飛躍します。この際に、フッ素とピペラジニル基を導入されたことで、フルオロキノロンという名前が出来ました。

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キノロンこそ世代に分けてみよう!

セフェムでは、巷とは少し違う形で分けました。キノロンはどうしましょうか。みなさんはどう分けていますか?個人的にはキノロンこそ世代で分けるとスッキリすると思いますので、ぜひ皆さんに共有させてください。

  • 1世代:シプロフロキサシン(CPFX)・・・いわゆるニューキノロン
    • GNR専門家、緑膿菌への活性はキノロン界No1です。1日2回内服なのが玉に瑕!
  • 2世代:レボフロキサシン(LVFX)・・・いわゆるレスピラトリーキノン
    • 「1世代+肺炎球菌+MSSA」と覚えましょう!MSSAへの活性が良いことは意外と認識されていません!
  • 3世代:シタフロキサシン、モキシフロキサシン、ガレノキサシン
    • 「2世代+偏性嫌気性菌+レンサ球菌ー緑膿菌」と覚えましょう!Streptococcus sppへの活性は更に改善し、頸部以上の感染症に更に使用しやすくなっています。しかし、最重要ポイントは緑膿菌には使用しない!ということです。

これを見ると、やはりGNRには良さそうですね!つまりGNRが主体になる感染症、、、そうです尿路感染症には良い適応です。ただし、使用は腎盂腎炎にとどめましょう。膀胱炎も治療可能ではありますが、ますます耐性菌が増えます。膀胱炎であればST合剤や1世代セフェム内服や、3世代セフェム内服(バナン一択)がありますのでそちらを使用してキノロンは温存するのがBetterです!

抗菌薬の適正使用は、我々一人一人が意識する必要があります。2050年には耐性菌感染症が死因第1位だそうです。このブログでも啓蒙してきますので、ご協力お願いします。

ちなみに余談ですが、薬剤のインタビューフォームを見るとその薬剤の商品名の由来が書いてあるので面白いですよ!クラビットなんかは、「Crave It、それを待ち望む」を略してCravitとなっているようです。

キノロン系のPK/PDなど

以下にまとめてみます。特に赤文字はAnkiなどに登録して覚えましょう!

  • Bioavalabilityは90%以上と非常に良い
  • 組織移行性も抜群で、骨や胆道系も高い濃度を達成可能です(但しそれが真のOutcomeに繋がるかどうかは??)
  • 濃度依存性で、1回量を十分に投与する必要がある
  • Post Antibiotic Effectがあります(これはまた別記事で解説しますね)

キノロン系の副作用

キノロン系は他にはない面白い副作用も持つので、紹介します!

  • QTc延長:使用前には必ず心電図でQTc延長ないことを確認してカルテ記載しておきましょう!一度、これでTdPなった方を対応したことがあります。。。
  • 重症筋無力症の増悪:MGには禁忌です。最悪、呼吸筋麻痺で挿管なんてことになりかねません!
  • 中枢神経毒性:機序は不明なのですが、特にNSAIDsとの併用で痙攣閾値を下げるとされています。てんかんの既往や脳の器質的異常、認知症の患者などでは要注意です。
  • 腱断裂:60歳以上の長期使用でリスク増大します。
  • 低血糖:これが意外と意識されていません。点眼薬として存在しているガチフロキサシンの内服はこの副作用のせいで販売中止となっています。特にモキシフロキサシンは頻度多いため注意です。
  • キレートされる問題:2価の陽イオンと同時に投与するとキレートされて吸収されないので注意してください。酸化Mgや鉄剤など使用頻度多いので、時間をずらすか点滴にするなどで対応しましょう!

以上の中で特に生命に関わる副作用をまとめたゴロを紹介します。完全オリジナルですが、割とうまく出来た気がするので是非活用ください!

「キノロン、NG?」

  • レートされる併用薬はない?
  • 脳(ウ)に障害を与えない?
  • ロングQTcではない?
  • MG(NG)の併存はない?

以上、キノロン系のまとめでした!おそらく使用頻度多いと思うので、これを機会に適正使用を心がけましょう!

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