Dr.マクロの蜂窩織炎まとめPart2

勉強
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みなさん、こんにちは!日経平均が連日増騰しており、うはうはしている今日このごろです!

さて今回は蜂窩織炎の最終回ですね!残るテーマは、

  • 培養をどうするか
  • 治療期間

の2つですね。早速行ってみましょう!

蜂窩織炎の培養取るかどうか問題

これ意外と気になっている研修医の先生方も多いんじゃないですか?私も、すごく気になっていたので色々と勉強してみました。蜂窩織炎で取りうる培養は恐らく、血液培養創部培養でしょう。それぞれ文献をご紹介します。

血液培養に関しては、蜂窩織炎の患者では10%以下の陽性率と言われています[1. 2]。なので外来で治療可能なレベルの重症度であれば、基本的には取る必要はないでしょう。ただ以下の場合などは採取が推奨されます。

  • バイタルサイン不安定
  • 局所所見が重症
  • 何らかの免疫抑制状態になるような基礎疾患
  • 高齢者
  • 動物咬傷や虫刺傷などの特殊な病歴
  • 治療抵抗例

まとめると、印象として重症だなとか、治療しているのによくならないなとか、原因菌の同定が必要だなと思ったら採取するというのでいいのかなと考えています。ぶっちゃけると、入院して治療する必要がある症例は採取しておいて損はないでしょう(逆に採取していないで公後悔することは多いです泣)。

創部の培養ですが、これも難しい問題です。そもそも真皮深層~皮下組織の炎症である蜂窩織炎では取る部分がないです。皮膚を拭っても、そこは首座ではないので皮膚常在菌を拾うだけですし[3]、膿瘍などが無い限りは正直取るところがないというのが正直なところです。皮膚生検では20-30%程度の陽性率とされていますが[4]、侵襲大きいので重症例以外では適応はないです。

以上をまとめると、血液培養は入院症例などはとっても良い、外来では不要だろう。生検組織の培養は重症例では考慮しても良いけど、侵襲強いので患者とも要相談、といったところでしょうか。

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治療期間

次は治療期間です!これは結構シンプルなので一言でまとめると、

「局所所見が改善するまで!」

です。7-10日間と書いてあることも多いですが、局所所見を優先して治療終了を判断しましょう!

更に重要なことはなかなか治らないときには、治療失敗の可能性を考慮して以下のことを自問自答しましょう。

  • 膿瘍の合併
  • 抗菌薬の投与量不十分
  • 抗菌薬でカバーできていない
  • 内服にしている場合は腸管吸収がどうか
  • 安静が守れているか

参考文献

  1. J Infect. 2012 Feb;64(2):148-55.
  2.  Am J Emerg Med. 2017;35(8):1159.
  3. Clin Infect Dis. 2014;59(2):147.  ★蜂窩織炎のIDSAガイドライン 必読!
  4. Clin Infect Dis. 2015;61(11):1679.   
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